みなさん、おはようございます。日本で暮らすみなさんに役立つ情報をスペイン語でお伝えしていきます。今回が第5回です。
今回は「高齢」についてのお話です。
日本の9月の第3月曜日は「敬老の日」という祝日です。社会に長年貢献してきた高齢者に感謝をし、長寿をお祝いする日です。国連では毎年10月1日を「国際高齢者デー」としていますし、国によっては「祖父母の日」があって家族や親族がお祝いをしますが、国が祝日にして休みにしているのは日本だけのようです。
日本ではおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に住む家庭は少なくなっています。「敬老の日」をおじいちゃん、おばあちゃんと一緒の時間を過ごす機会にするとよいかもしれませんね
ペルーでもおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に住む家庭は少なくなっているようですね。
「敬老の日」の高齢者については年齢の規定はありませんが、社会のしくみや法律では「高齢者」の年齢の規定があります。
国の人口に関する統計では65才以上を「高齢者」とし、その比率を「高齢化率」と言います。日本は世界で最も高齢化が進んでいて、2015年の統計で高齢化率は26%です。4人に1人が高齢者です。2060年には40%になる予想です。ペルーは2015年で7%です。若い人が多い国ですね。ただ人々の寿命が長くなるにつれ、高齢化率は上がってきます。
日本では高齢化に対応していろいろな社会制度があります。
今回は、健康保険、介護の保険、年金などについてお話します。
まず病気になったときに病院でかかる費用が軽減される保険として、会社で仕事をしている人が加入する「健康保険」や自営業や定年退職した人などが加入する「国民健康保険」がありますね。病院などでかかった費用のうち個人が払うのは3割です。75歳になるとこれらの保険から「後期高齢者医療保険(長寿医療保険とも言います)」に変わります。受けることのできる医療の内容は変わりませんし、病院でかかった費用のうち個人で負担するのはほとんどの人は1割です。
次に「介護保険」です。「介護」というのは、心身の障害や高齢によって日常の生活の動作をするのが困難になった人が生活できるように、他の人が手伝うことです。家族だけでは手伝えない状態の人を助けてもらうときに使えるのが「介護保険」です。先に述べた「健康保険」や「国民健康保険」に入っている人は40才から自動的に加入します。65才になるまでは特定の病気の場合に、また65才以上は寝たきりや認知症などの介護に「介護保険」が使えます。介護にかかった費用のうち個人負担は1割で済みます。
「介護保険」を使うためには要介護認定を受ける必要があり、地域包括支援センターで手続きをします。
次に、高齢になって仕事ができなくなったり収入が減ったときに助けになるのが年金ですね。日本に住所のある全ての人が加入する国民年金と、それに加えて会社で仕事をしている人が加入する厚生年金があります。60才までに25年間以上これらの年金の加入期間があれば、65才から年金をもらうことができます。いろいろな特別なケースがあるので、自分の年金について詳しくは日本年金機構の事務所や年金相談センターで確認すると良いです。
また、ブラジルと日本は協定を結んでいて、両方の国のそれぞれの加入期間を合算できます。ブラジル以外の南米の国とはこのような協定はまだありません。ただ、日本で帰化したり永住権を持った人は、母国に住んでいた期間のうち20才からの期間を加入期間に合算できます。年金の金額には計算されませんが、年金をもらうのに必要な25年の加入期間を計算するときに役立ちます。これも詳しくは年金相談センターなどで確認することができます。
会社で仕事をしている人で、60才の定年制の会社の場合は、年金をもらえる65才までの間収入が無くなってしまうので、希望をすれば65才まで雇用される「高齢者雇用安定法」があります。パートの人も対象です。これもいろいろなケースがあるので、詳しくはハローワークに相談すると良いです。
日本の社会制度をいくつかお話しましたが、高齢になっても元気で体を動かせることが大事ですね。日ごろから、何かスポーツをしたり散歩をしたり、体を元気に保つようにしましょう。
今日の放送の内容は以下のホームページでも音声と文章で知ることができます。
http://www.isesaki-npo-net.com/
来月の放送予定は9月23日(金)でいつものように朝8時5分頃です。また聴いてくださいね。